LED照射機でUVパテ、UVサーフェーサなどのUV硬化樹脂・光硬化樹脂を硬化させるときに重要なのは・・・どの波長を選択するのか!?です。
初めに波長(光、電磁波)について軽く触れます。
下図は、一般的に知らている電磁波の種類です。
もちろん、「光」も電磁波の一種です。
電磁波には、CTスキャナやレントゲンに使用されているγ線やX線、テレビやラジオで使われている長い波長があります。
それらの波長は、波長域別に区切られ、それぞれ名前が付与されています。
図の中に、どのような場所にそれぞれの波長が使用されているかを記載しましたのでご覧下さい。
電磁波の名前 | 波長の長さ |
γ線(ガンマ線) | 1~10pm |
X線(エックス線) | 10pm~10nm |
紫外線 | 10nm~400nm |
可視光線 | 400nm~700nm |
赤外線 | 700nm~1mm |
マイクロ波 | 0.1mm~1m程度 |
テレビ、ラジオ波 | 1m~10km程度 |
では、
UV硬化樹脂や光硬化樹脂では、どのような波長が使用されているのでしょうか?
材料ごとに異なりますが、一般的には250nm~480nmの波長が使われています。
歯科医では、詰め物の硬化に480nm付近のLEDが使用されていますが、工業向けや建築業界・自動車業界、インク業界などでは、高圧水銀ランプ(365nmを主波長とし、254nm、313nm、405nm、436nmなど様々)やメタルハライドランプ(250~450nmの範囲で多数のスペクトルを放射)がまだまだ主に使われているようです。
※注意 2027年2月24日に向けて、徐々に高圧水銀ランプからLEDへ切り替わっています。
下図は、とある材料の反応度合(感度)を示したものです。
・250~275nmあたりが一番反応する(早く硬化する)
・420nm付近が2番目に反応が強い
・どの領域の波長でも反応する(反応速度は異なる)
このグラフから、LEDの波長選択しようとすると265nmや275nm、420nmの波長を選択するのが良いことが分かりますが・・・
問題点がいくつかあります。
・必要硬化膜厚は?
・酸素阻害の影響は?
・硬化後の物性は?
など、波長を選ぶときは、反応速度も重要ですが、硬化後の物性がクリアできているか?が一番重要になってきます。
以上より、各メーカーの材料にあったLED照射機をご使用ください。