光で硬化する樹脂(紫外線硬化性樹脂、可視光硬化樹脂)は、「波長」のほかに「光のエネルギー量」が重要です。
硬化条件は、「光の強さ」と「照射時間」で決まります。
「 光の強さ[mW/cm2] 」×「 照射時間[s] 」 = 「 積算光量 [mJ] 」
この積算光量と呼ばれるものが、硬化に必要なエネルギー量になります。
式から分かるように、光の強さが強ければ、早く硬化することが分かります。
また、光の強さが弱い場合、照射時間を長くすることにより、希望の積算光量(エネルギー)が得られることが分かります。
よって、早く硬化させたい場合は、光が強いLED照射機を選択しましょう。
下のグラフは、ハンディLED照射機「UXH-10GND」を用いて、「照射距離」対する「光の強さ」を実測したグラフです。
グラフからも分かるように、照射距離が遠いほど、光の強さが弱くなります。
一般的に、光の強さは光源からの距離の2乗に反比例すると言われています。
例:
照射距離5cmのところで1秒で硬化するUVパテがあるとします。
この場合、硬化に必要な積算光量は、500(光の強さ100 × 照射時間5)になります。
次に照射距離20cmのところから、このUVパテを硬化させようとすると
「硬化に必要な積算光量」 /「 光の強さ」=「照射時間」 より
500/10=50[秒]の照射時間が必要になります。
実際に実験を行うと、ほぼこの値に近い結果が得られます。
硬化に必要な積算光量 500を基準に、それぞれの硬化時間を下記表に記載します。
照射距離[cm] | 光の強さ (グラフより) | 硬化に必要な照射時間[秒] 500 / 光の強さ | 積算光量 光の強さ×照射時間 |
5 | 100 | 5秒 | 500 |
10 | 30 | 約17秒 | 500 |
15 | 15 | 約34秒 | 500 |
20 | 10 | 約50秒 | 500 |
25 | 5 | 約100秒 | 500 |
30 | 3 | 約167秒 | 500 |