Glanz neo は、従来の2液型パテの使い勝手を再現した、革新的なUV硬化パテです。作業効率の大幅な向上、優れた密着性と研磨性、そして環境への配慮など、多くのメリットを兼ね備えています。
しかし、Glanz neoを最大限に活用し、最高の仕上がりを実現するためには、いくつかの注意点とトラブルシューティングを理解しておく必要があります。
作業上の注意 <Glanz neo 取扱説明書からの抜粋>
- パテの厚みに注意: このパテは乳白色のため、厚塗りしすぎに注意が必要です。スケール(ワイパー)等を使用し、厚さを確認しながら作業してください。
- コーティングの剥離: ガラスコーティングやコーティング施工済みの塗膜には、足付けしてもパテが密着しません。必ずコーティングを完全に剥離してから作業してください。
- 溶接面への塗布: 溶接部にパテを塗布する場合は、溶接時に発生した酸化膜を除去し、足付けを行ってください。密着不良を防ぐため、必要に応じてUVプライマーを塗布してください。
- 特定車種への塗布: フォルクスワーゲン、アウディ、ボルボ、ポルシェ等の亜鉛メッキ鋼板には、足付け後、必ずUVプライマーを塗布してからパテを塗布してください。
- パテ使用前の確認: パテ使用前に、各照射機の性能テストと密着確認テストを実施してください。
- 指定の照射機を使うこと: 波長の種類、光の強さによって硬化時の物性が異なります。弊社ハンディLED照射機「UXH-10GND」と同等以上のLED照射機を使用することを強くお勧めします。

トラブルシューティング
研磨しにくい場合
従来のパテより厚塗りしている可能性があります。スケール等で厚さを確認し、適切な厚さで作業してください。
キワや面が出ない場合:
視覚による誤認、または照射不足が考えられます。
視覚による誤認
塗膜が薄い部分はキワに光沢が出ますが、段差はありません。従来のパテとは異なるため、慣れが必要です。
左の写真は、#240 空研ぎ時の正常なキワ 、右の写真は、 #800 水研ぎ時の正常なキワです。

#240 空研ぎ時の正常なキワ #800 水研ぎ時の正常なキワ
照射不足
キワが剥離する場合は、ボタンⅡの照射不足が考えられます。パテ塗布面に均一に10~20秒程度照射し、再度研磨してください。

密着が悪い場合
以下の原因が考えられます。
- 特定車種(亜鉛メッキ鋼板、PP製品)へのプライマー塗布忘れ
- ガラスコーティングやボディーコーティングの未剥離
- 脱脂剤の乾燥不足
- しごき付け不足
- プライマーの溶剤分残留
- 使用する研磨紙の番手違い
- 照射機の波長が合っていない
- 照射不足
サーフェーサーや塗装の乾燥時にヒーターの熱で剥離する場合:
- 照射機の波長が合っていない
- 照射不足
- ランプの強度低下
などが考えられます。
注意事項
貯蔵保管・輸送上の注意
1. 貯蔵・保管は、火気や直射日光の当たらない冷暗室で、かつ温度変化の少ない場所に保管ください。可能であれば、保存温度範囲 20±3℃ 湿度 50%以下が好ましい。
2. 輸送の際も、保管時と同様の環境で行ってください。
3. 使用後は、完全密閉して日光が当たらない冷暗室に保管してください。
使用上の注意
1. 定期的に必ず攪拌してください。
2. 直射日光の下での作業は控えてください。(紫外線等により硬化が進みます。)
3. パテを容器より取り出したら速やかに密閉してください。紫外線等により硬化が進みます。
4. 缶のフタの開けたまま作業をしないでください。紫外線等により硬化が進みます。
5. 缶のフタは完全に密閉し、ヘラでパテを取り出す際に缶の縁で拭わないようにしてください。(缶のふちにパテが付着していると完全密閉の妨げになり、紫外線等が入射し硬化の原因となります。)
6. パテの使用中でも缶は完全にフタをし、常に冷暗所に置いてください。
7. 気温が低い時や湿度が高い時は基材温度を20 ~ 40℃程度まで加温してからご使用ください。
8. パテを缶ごと温めるときは、局部的に温めないでください。温めるときは、湯銭等により全体を均一に温めてください。
9. 最初にしっかりシゴキ付けし、その後空気が混入しないように必要な量だけ素早く、必要な厚さにヘラ付けしてください。
10. 車種(材質)によっては十分な密着が得られないものがあります。その場合は一度少量でテストして十分な密着が得られることを確認した上でご使用ください。
健康上の注意
パテを膚皮や粘膜に付着させない
・作業門・手袋・マスクを装貯し、皮膚や粘膜を保護してください
・保護メガネを必ずかけてください。
・眼に飛沫が入った時、すぐに大量の水で洗い流し、直ちに専門医の手当を受けてください。
・皮膚に触れた場合、赤くはれるなどの炎症を起こす場合があります。皮膚に付いたときは多量の水と中性石鹸で良く洗ってください。溶剤の使用は、皮膚への浸透を助け、悪化させる恐れがあるので避けてください。かゆみ等の症状がでてから1~2日たっても軽快しない場合は専門医の診断を受けてください。
・衣類に関してはひどい汚染の場合は廃棄してください。
Glanz neo で、より効率的かつ高品質な鈑金作業を!
Glanz neoは、従来のパテの常識を覆す、革新的なUV硬化パテです。上記の注意事項とトラブルシューティングを参考に、Glanz neoの性能を最大限に引き出し、より効率的かつ高品質な鈑金作業を実現してください