【株式会社星野様 導入事例】「Glanz neo」との出会い。焼付塗装工程に革命を起こしたUVパテ

長野県佐久市にある株式会社星野様。1974年の創業以来、お客様の多様なニーズに応える高品質な金属焼付塗装を提供してきた、塗装のエキスパートです。メラミン塗装、アクリル塗装、ウレタン塗装、フッ素塗料、模様塗装、粉体塗装など、幅広い塗装技術を駆使し、シルクスクリーン印刷や大型製品への塗装にも対応しています。
お客様満足を第一に、少数精鋭のプロ集団が小ロット・短納期にも柔軟に対応いたします。常に時代の変化を見据え、環境保全や働きやすい職場づくりにも積極的に取り組んでいます。
そんな星野様が、二液型パテからUVパテ「グランツネオ」に変えた理由とは…
星野社長は語ります。
グランツネオとの出会い
工業塗装関係の同業者の社長に紹介していただいたのがグランツネオとの出会いのきっかけでした。ご近所ということもあり、社員向けの講習会を開催していただき、グランツネオのことを深く理解したうえで、この製品が会社にとって必要なものかを社員と話し合いました。
すると、社員から「これがあれば、もっと仕事を回せる。1日の生産量が増やせ、お客様をお待たせすることがなくなる。時間が読めるようになり、飛び込みの仕事にも対応できる」という頼もしい一言があったんです。
UVパテに対する不安を払拭
どんな製品でも、最初に使用するときは不安です。
導入にあたりラストホープ社協力のもと、弊社社員が様々な素材に対する密着テストや上塗り後の評価試験を繰り返し行い、UVパテに対する不安を払拭しました。
ヒューマンエラーをなくし、社員が自信を持って使えるようにしたかったと星野様は語ってくれました。
工業塗装の作業工程
グランツネオ導入前
- 脱脂:塗装前の素材の表面の油分や汚れを落とすために、特殊な脱脂剤で脱脂します。また用途によっては、リン酸被膜処理を行います。
- サンディング、足付け:必要に応じて塗装面を滑らかに仕上げるために研磨します。また、必要に応じてペーパーで研磨し、素材の表面を荒らし、パテや塗料の密着を向上させます。
- 素地調整・パテ処理:スポット痕やサンダー痕のくぼみや穴、鉄板の凹凸、鋳物の肌などを、必要に応じてパテで補修し、表面を平らにします。(この作業を二液型パテからUVパテ「グランツネオ」に変更)
- 脱脂:再度、表面の油分や汚れを落とすために特殊な脱脂剤で脱脂します。
- 下塗り:下地塗装では、素材との付着性及び耐錆性に優れた塗料(エポキシ塗料)で下塗りを行います。
- 中塗り:塗料の中には1回の塗装で色合いが再現できないときもあります。色の発色をよくするため中塗りをします。表面の凸凹をならす意味合いもあります。
- 強制乾燥(150℃~200℃で、20分~30分):塗料の仕様に応じた焼き付け条件(温度、時間)で焼付乾燥します。
- 中研ぎ:外観の凸凹をならす工程ダブルアクションサンダーを使用します。この際に上塗り時に影響を及ぼすキズやごみ・ブツの確認をします。
- 上塗り:製品の目的用途に応じた塗料を選択し、塗料仕様に合わせた塗装を行います。
- 強制乾燥(150℃~200℃で、20分~30分):塗料の仕様に応じた焼き付け条件(温度、時間)で焼付乾燥します。
この工程の中で、最もネックになるのは、2.サンディング、足付けと3.素地調整・パテ処理です。二液型パテを使用する際は、サンディング、足付け処理が重要です。きっちり作業しないと、上塗りして乾燥させた際にパテや塗装が剥がれる原因になります。
さらに、パテの乾燥時間(30~60分)とパテの再処理時間も課題です。パテ作業が一発で終わればよいのですが、複雑な形状の製品は、最低でも2回パテ付けを行います。
グランツネオ導入後
グランツネオ導入後、2.と3.の作業効率がアップしました。また、塗装工程・焼付工程でのパテの剥がれもなくなりました。
2.サンディング、足付け:必要に応じて塗装面を滑らかに仕上げるために研磨します。
グランツネオは足付け処理が不要な場合もあり、作業時間の短縮にもつながります。
3.素地調整・パテ処理:スポット痕やサンダー痕のくぼみや穴、鉄板の凹凸、鋳物の肌などを、必要に応じてグランツネオで補修し、表面を平らにします。
グランツネオに変えてからは、パテを盛ることがなくなり、ウェットオンウェットで面を整形できるため、研ぎ時間が二液型パテの半分以下の作業時間で終わります。
そして、何より驚いたのが、強制乾燥の工程で現れる、焼付後のパテのピンホールやわき(沸き)がなくなったことです。やり直しの作業は最もコスト高です。
グランツネオ導入によって、再処理がゼロに、そして生産性・品質向上へ
二液型パテからUVパテ「グランツネオ」に変わり劇的な変化を遂げたのは、パテの乾燥時間の短縮はもちろん、それ以上に感動したのは素材への密着力です。なんと足付けなしで、SPCCやボンデ鋼板などに密着しました。(自社試験にて、二液型パテとグランツネオで確認・実証済み)
二液型パテを使用しているときは、上塗り塗料の乾燥工程でパテが剥がれてきたりして、再処理に1~3時間を要しましたが、「グランツネオ」に関しては、全く剥がれません。
パテの乾燥時間の短縮、研ぎ性の向上、再処理ゼロになることにより、生産性向上はもちろん、人件費などを含めた製造コストも抑えられるようになりました。
照射機がネックだった
弊社の作業では照射機が小さいことがネックで、当初はハンディLED照射機「UXH-10GND」を5台使用し、試行錯誤しながら使用しました。
ある程度作業に慣れてきたころ、社員から「もっと大きな照射機が欲しい」という声が上がり、ラストホープ社に相談したところ、「ハイパワー水冷式LED照射機」が良いと聞き、早速特注で製作していただきました。
この対応力がラストホープ社のすごいところです。ユーザーの立場に立った提案力と行動力があり、頼りになる企業です。
まとめ
星野様はグランツネオの導入により、パテの乾燥時間という課題を克服しました。パテの剥がれがなくなり、焼付後のパテのピンホールや沸きがなくなったことで、再処理時間を従来の1~3時間からゼロに短縮することに成功しました。さらに、作業効率と品質を向上させることができました。今後も、お客様に最高の品質を提供するために、グランツネオを活用していくとともに、ラストホープ社との連携を深め、更なる生産性向上を目指していくと語ってくれました。