※注意
本工法はあくまでも一例であり、個人的な見解です。
本工法に従った結果について、筆者は一切の責任を負いません。
実際の作業を行う際は、必ず専門家にご相談ください。
一情報として、皆様のためになれば幸いです。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします
*** 下地処理時間を極限まで短くする溶接方法! ***
下図は、鈑金歴3年目のスタッフ(左図)と、10年以上の経験を持つスタッフ(右図)による溶接後の写真です。
ご覧のとおり、溶接後のパテ処理面積が大きく異なっていることがわかります。
左側の溶接では、熱が母材の広範囲まで伝わった結果、鉄板が歪み、パテ処理面積が大きくなっています。
一方、右側の溶接では、熱を効果的に逃がしながら作業を行ったため、鉄板の歪みが最小限に抑えられ、パテ処理面積が少なくなっています。
この差により、パテ処理時間は3倍以上異なります。
また、 より高品質な仕上がりの確保が可能になります。
右図について
<<メリット>>
溶接熱による歪みを最小限に抑えることで、下地処理(パテ塗布、整形など)にかかる時間を半分以下に短縮できます。
<<デメリット>>
溶接処理時間が長くなりますが、メリットの方がはるかに大きくなります。
半自動溶接機を使用する場合:
① 適切な電圧・電流調整:
鉄板の厚さ、トーチと作業面との距離、角度によって調整します。
② 一定の距離、角度、溶接時間:
常に同じ距離、角度、時間で溶接を行います。
ワイヤの長さは、毎溶接後に調整します。
ワイヤの先端を鋭く切り、不純物を取り除きます。
③ 溶接後はすぐに熱を逃がす:
真鍮ブラシなどで熱を逃がします。
エアなどで急冷することは避けます。
急冷すると、その部分が収縮して極度な固さになったり、周りの鋼板を引っ張ったりします。
④ 息を止めて溶接する
作業内容:
① 突き合わせ時の隙間:
0.3~0.5mmの隙間を空けて突き合わせます。
棒磁石、溶接用磁石などで固定しますが、パネルに適した強度の磁石を使用することをお勧めします。
注意:
突き合わせの際に、マイナスドライバーなどで差し込み面の高さを調整することはお勧めしません。これにより歪みが発生し、溶接時に顕著にひずみとして表れます。
② 仮固定:
仮固定溶接の順番は、正面から行います。
面の点付けの順番として、中心から外れたところから順に点付けしていきます。
プレスラインがある場合は、凸部から点付け溶接し、次に凹部を点付け溶接します。
鉄板に熱を加えないように、点付けの順番を検討します。
③ 本溶接:
中心から外に向かって、一点ずつ溶接していきます。