お客様から「パテ作業に最適な工具箱は何ですか?」というご質問をいただくことがあります。一見するとただの道具箱に見えるかもしれませんが、選び方と中身の構成次第で、作業効率、仕上がり、そして日々の使いやすさが大きく変わってきます。
そこで今回は、弊社がデモンストレーションで使用している工具箱を例に、その構成と選定理由を詳しくご紹介いたします。これは、単なる道具の収納方法ではなく、長年の経験から導き出された、パテ作業をより快適で質の高いものにするためのノウハウが詰まっています。
なぜ、プロは工具箱の構成にこだわるのか?
パテ作業は、様々な種類の道具を使い分けながら進めていく繊細な作業です。ヘラ一つにしても、サイズ、硬さ、材質が異なり、用途に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。もし、これらの道具が整理されずに工具箱の中で混在していたらどうなるでしょうか?
必要な道具をすぐに取り出せない: 作業中に「あれはどこにしまったかな?」と探す時間が無駄になります。
傷や破損の原因に: 道具同士がぶつかり、大切な道具の寿命を縮めてしまう可能性があります。
集中力を欠く: 作業スペースが煩雑になり、整理されていない環境は、ミスの原因にもなりかねません。
プロの職人は、これらの問題を未然に防ぎ、常に最高のパフォーマンスを発揮するために、工具箱の構成に細心の注意を払っています。
弊社デモ用工具箱の全貌を公開
それでは、弊社が自信を持っておすすめするデモンストレーション用の工具箱とその中身を、一つずつ詳しく見ていきましょう。



① 工具箱:ジョイクラブ JC-385
まず、工具箱の核となるのが「ジョイクラブ JC-385」です。
特徴: この工具箱は、頑丈なプラスチック製でありながら、適度なサイズと重量で持ち運びやすさを実現しています。プロの現場での使用に耐えうる耐久性を備えつつ、扱いやすい設計となっています。
また、ケース内部に細かい道具や よく使うアイテムを収納できるスペースが設けられている点です。これにより、 小物が他の道具と混ざってしまうのを防ぎ、必要な時にすぐに取り出すことができます。また、蓋(カバー)はしっかりとロックでき、移動中に不用意に開いてしまう心配がありません。さらに、プラスチック製であるため、 金属製に比べて軽量で、錆びる心配もありません。光を通しにくい素材でできている点も、後述するパテの保管において重要なポイントとなります。
選定理由:
これまで様々なメーカーの工具箱を試してきましたが、ジョイクラブ JC-385は、耐久性、収納力、持ち運びやすさ、そして価格のバランスが非常に優れています。プロの厳しい要件に応えつつ、アマチュアの方にも手の届きやすい価格帯であることも魅力です。
② トレーキット:パテの保存、作業効率を格段に向上
次に、パテ塗りの効率を劇的に向上させる「ミニスモールローラートレーキット」をご紹介します。
構成と利便性:
トレーの中に、UV硬化パテ「Glanz neo」と、複数のパテベラを一緒に収納できるように工夫している点です。
UVパテ「Glanz neo」の保護: トレーの蓋を閉めることで、外乱光(特に紫外線)からパテを遮断し、意図しない硬化を防ぎます。また、パテを無駄なく使用することができます。
パテベラの整理と保護: トレー内部には、様々なサイズや形状のパテベラを 収納できます。これにより、必要なヘラをすぐに取り出すことができ、作業効率が向上します。
パテベラの洗浄の手間を軽減: トレー内でパテを扱うことで、作業中にパテベラが直接工具箱の他の道具に触れるのを防ぎます。これにより、作業後の ヘラの清掃が必要なくなり、後片付けの手間を軽減することができます。
スムーズな作業フロー: パテを取り出し、すぐに蓋を閉めることができるため、作業の流れを中断させることなく、効率的にパテ付け作業を進めることができます。
選定理由:
UV硬化型パテの特性を最大限に活かし、作業効率とパテの経済性を高めるために、トレーキットを核とした収納方法を採用しました。パテベラをまとめて収納できる点も、現場での使いやすさを大きく向上させる要素です。
③ パテスケール:仕上がりと品質を左右する隠れた英雄
一見すると地味な 道具である「パテスケール」ですが、パテ付け作業の 作業効率の向上させるためには欠かせない道具です。
機能と用途:
パテスケールは、塗布したパテの余分な部分を取り除いたり、平滑な面を形成したりする際に使用します。平面はもちろんのこと、緩やかな曲面にも フィットさせることができます。これにより、様々な形状の下地に対して、均一で美しいパテ付けを実現することができます。
選定理由
目視だけでは判断が難しい パテ厚みをコントロールし、均一な仕上がりを追求するために、パテスケールは必須の道具です。特に、 最終仕上げなどの、 精度が求められる作業においては、その重要性は 深まります。また、余分なパテを除去することは、材料の節約にも繋がり、 プロの視点からも合理的な選択と言えます。
④ 工具箱の小物入れ: 収納スペース
工具箱の蓋裏に設けられた小物入れは、作業中に頻繁に使用する道具を整理するのに非常に便利です。
収納例: 弊社では、パテスケールの他に、カッターナイフ、鉛筆、マーカー、缶オープナーなどを収納しています。これらの道具は、すぐに取り出せる場所に保管しておくことで、作業効率が向上します。
あなたに最適な工具箱を見つけるためのポイント
今回のブログでは、弊社のデモ用工具箱を一例としてご紹介しましたが、お客様ご自身が工具箱を選ぶ際には、以下の点を考慮することが重要です。
作業内容と道具の量: どのような作業を行うのか、持ち運ぶ道具の量はどのくらいかを考慮して、適切なサイズの工具箱を選びましょう。
耐久性: 現場での使用を想定しているのであれば、耐久性の高いものがおすすめです。DIY用途であれば、軽量で扱いやすいもの。
持ち運びやすさ: 現場間の移動が多い場合は、軽量であることや、持ちやすい取っ手が付いていることが重要です。
収納性: 道具の種類や大きさに合わせて、仕切りの有無を確認しましょう。
予算: 工具箱の価格帯は幅広いため、予算に合わせて最適なものを選びましょう。安価なものでも十分に使える場合もありますが、耐久性や使いやすさを考慮すると、ある程高価な物になるかもしれません。
まとめ
パテ作業用の工具箱は、単に道具を運ぶための箱ではなく、作業効率と仕上がりの 向上させるための重要な アイテムです。今回ご紹介した弊社のデモ用工具箱の構成や、工具箱選びのポイントを参考に、ご自身の作業スタイルに合った最適な工具箱を見つけてください。